2023年6月17日(土):資料保存ワークショップ番外編「6月10日(土)山野上先生作品搬出」と「天を整える」
日記が追い付いていません。
少し遡った記録です。
6月10日(土)に、製本家の故山野上先生のアトリエへ再訪。
梅雨の始まる前に!とみんなで先生の作品の搬出を行いました。
前回大きく広げて、みんなで折って、切って、洗って準備した白の木綿のネル生地で、
大きさごとに分けて作品をくるみ、箱に入れて。
ネル生地は、毛羽立ちがクッションの役割を果たすので、運び出すための段ボールに詰める際、隙間に緩衝材を入れる必要がありませんでした。
壊れやすいデリケートなものを運ぶのにネル生地が有効であることを実感することが出来ました。
山野上先生の作品たちは、皆さんに手に取って観てもらえる様な展示会の開催を検討しています。
さて、作品搬出の際、山野上先生の使われていた花布用の絹糸や革の端切れなどをあとりえ一頁にも運んできました。
まず、その荷解きから。
色ごとに分けられた絹糸は、日本にない色だと、山野上先生がベルギーやヨーロッパに行かれた際に購入して来られたものだとか。
もしかしたら、糸は劣化してしまっているかもしれないけれど、それだったら花布の練習用に、とアトリエの資材に加わえられました。
どちらもすごいタイトルですね。
5月20日は、カミソリで整える作業を残していましたので、
ラップで整い終えた「地」に、1,2往復くらいカミソリの刃を両手でつかんで、撫でるようにします。
今度はまたプレスから抜いて、今度は本文の「天」の方を上にして、同じ作業を行いました。
詳しい作業方法は、5月20日(土)の「地を整える」←で見て下さいね。
そのカミソリについて。
カミソリというとT字型のものを想像してしまったのは私だけでしょうか。
この作業で使うカミソリは、そのような持ち手のついていない、カミソリの「刃」そのもの。
長さ3~4センチくらいの上下2辺が刃になっています。
今回使用したのは、山野上先生のアトリエでも使われていた革工芸の工程で行う皮そぎの際に使用するという「シャーフィックス(Schärf-Fix)」というもの。
調べてみると皮漉き機のドイツのメーカーのようです。
仕事の都合でなかなか参加できなかった後輩T氏。
やっとかがり台にセットして、うれしそうに綴じ始めました。
これを安全に一人で使いこなせるようになりたいものです。
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