5月20日(土):資料保存ワークショップ番外編「地を整える。」

やったことを端的にタイトルにしただけなんだけど、罰が当たりそうな壮大な意味合いに捉えられそうなタイトルになってしまった。
真実なので、そのままにしておこ。



主宰者T氏の師匠で、私たちも昨年は貴重な道具をたくさん譲り受けた製本家の故山野上禮子先生のアトリエへ作品を引き取りに行く予定がある。
雨は大敵!ということで梅雨前の滑り込み?となるか6月初旬に決行しようとしていて、
大切なルリュール作品を運ぶため、綿のネル生地をたくさん用意することになった。
手芸屋さんのきじなので、漂白剤や糊をできる限り落としたい。
メンバーで手分けして選択することになったので、
この日の始めは、なが~~~~~~~~い(京都銀行っ!)生地をみんなでぱたぱたと折って切り分けるところから始めました。
それにしても、ほわほわの真っ白な気持ちよいネル。
お日様に干して、くるまって顔をすりすりしたいね、なんて話していました。


16mのネル生地 
広げて折るのに一人はあとりえの外まで出ちゃった!


さて、
メインのブラデル製本。
トップを進むIさんは、花布をきれいに編まれていて、それを背に当てる段階。
いつも几帳面なIさん。
うつくしい花布にうっとり。
私も早くその作業をしたい!と思いながら、Mさんと私は寒冷紗を貼り終わった本文の小口を

エトーと私はDIY用のプレスに挟んで、
カンナや鰹節削りなんかをイメージする作業。

本文背の耳にしっかり表紙の芯となるカルトンをあて、
上下から板で挟む。


板とプレスを面位置に合わせ、
天と地の、まずは地を上に挟み、ラップの両端を両手で持って、本文に対して少し斜めにずらして向こう手前とガシガシ磨きをかけます。




途中、四角い手鏡をラップをかけている面に置いて、均等に平になっているか確認します。自分の目で見る方向と、文字通り鏡映しの方向で見るのと、見え方が違って微妙な偏りに気が付けます。
少しずつ確認しながら本文の凸凹がなくなるまで削ります。
#80のラップで行い、仕上げに#100のラップに変えます。

この時に使用する手鏡は、丸型ではなく、四角形のものがよく見えます。

ちょっと余談ですが、昔、我々のおばあちゃん世代のハンドバックの内ポケットには、なぜだか長方形の手鏡がそっと入れられて販売されていることが多かったそう。
それがちょうどよい大きさなのだとか。
そういえば!と思って私も祖母が使っていた着物用のハンドバックの内ポケットを見ると、
ありました!なんだか昭和の時代が求める当時の”女性らしさ”が想像されました。
これも製本道具になるとは・・・

カルトンのへりにかえりが出来てしまうので、それも#100のラップで整えます。



今日はここまで。
この後、カミソリで整える、というのを天も同じようにするそうです。



次回開催は、

6月17日(土)
13:00~17:00

途中参加途中退場OK



お問い合わせは、こちらまで。
atelier.1page★gmail.com
(★マークを@に変えて使用ください。)


#資料保存 #製本 #本の修理 #ルリュール #ブラデル製本
#資料保存ワークショップ #資料保存WS #番外編
#図書館司書 #図書館員
#資料保存ワークショップ #資料保存WS #番外編 #修理の日
#bookbinding #conservation #preservation
#reliure
#修理系司書の集い






コメント

このブログの人気の投稿

9月9日(土)・10月7日(土):資料保存ワークショップ番外編【修理の日】

7月2日(土):資料保存ワークショップ番外編【修理の日】「実験!表紙クロスのクリーニング」

9月17日(日)【クリパルヨガと呼吸の会】開催しました!