4月16日(土):資料保存ワークショップ番外編「膠で背固め」
かがり台を使っての綴じが完了したので、この日はいよいよ背固め。
背に膠を塗る作業です。
なぜかこの作業がとても楽しみでした。
「膠」を使うって、日常にそうないからだと思います。
綴じ作業が済んだ本文を、かがり台から外します。
かがり台上部の竿から垂れた麻紐に結んだ支持体をほどき、台の下の支持体を結んだ釘や木製の留め具(名前あるのだろうか?)も外します。
それから、最後に出ている綴じ糸を最後の穴に背から通し喉に出す、
糸は小口ギリギリのところで切り、生麩糊を竹ひごにつけて、
その糸の下になる喉の部分、小口に向かって糊を塗って、さっき切った綴じ糸をそこにつける。
それを天地で行い、本文を閉じて外からぐっと指で庄をかけて接着させます。
その後、背を上にして飛び出ている両側の支持体を左右の手でそれぞれ親指に支持体を絡ませ持って支持体をぐっと外側へ引きつつ、同時に本文の背を中央へ寄せます。
つまり、綴じられている部分の支持体のたるみを取り、背を出来るだけすぼめる。ということ。
そして、背幅を天地、中央など数カ所測っておきます。
こういう寸法類。
力紙に鉛筆でその都度書いていくのがよいそう。
確かにノートを見ても、どの部分の、どの工程の寸法か、後になると分からなくて困ります。
いよいよ、膠塗りです!
綴じた背に膠を塗りこんで固めます。
余計な支持体を少し切っておきます。
表紙側、裏表紙側の短い方の長さと同じくらいに切ります。だいたいで。
その後、背を下にして、支持体を両方の手でしっかり持ち、机にトントンと本文を落としつけます。すべての折丁の背をきちんと出すことが目的。
今回使ったのは、粒状になった膠。
予め適量を水に浸しておきます。
ゼリーを作ったことはありますか?
ゼラチンを入れる前に、お水でふやかしておくという工程がありますが、
一緒ですね。
(最近の粉状ゼラチンはこの工程無しでもできるようですが。)
実際、膠が手に入らない時はスーパーで手に入るゼラチンでも代用できるとも、
参加者のMさんのお話し。
ゼラチンで実際されてみたら、ちゃんと固まったそうですが、
資料保存WS主宰者の堤さんによると、
膠を使う理由は、また水に浸して温めると溶けて修理に使える可逆性にもあるはずだから、
ゼラチンもそれができるものかしら、という疑問が出てきました。
・・・でもゼリーは、冷やして固めるけど、あたためれば溶けてまた液体に戻ってしまうはず。ということはやっぱり使える!?
膠もゼラチンも動物性のコラーゲン質。
そうなると、はて?
この二つの違いが気になりますね。
さて、水に浸した膠(耐熱性の入れ物にいれておく)を水を貼ったお鍋に入れ、コンロにかけ温めます。沸騰させないように気を付けて。
作業の際は、近くにカセットコンロを持ってきてこの作業を行うことがおすすめ。
温度が下がるとすぐに膠がかたまり出して、作業がしづらくなるので。
膠が溶けだすと、マスクの上からでもちょっと獣っぽいにおいがしてきます。
机の端っこに、カルトン紙で挟んで背を出した状態の本文をセットします。
カルトン紙の上からぐっと力を入れて抑えて、片方の手で刷毛を使って膠を多方向から背に塗りつけます。
作業を先行くIさんが以前この作業をされた際、
使った刷毛が熱に弱く、膠を混ぜているうちにボロボロと抜け毛が目立ちましたが、
五条・画箋堂さんで熱に強い筆を教えてもらい用意。
抜け毛の心配のことなど後から思い出したくらい、毛は1本も抜けずにスムーズに塗ることが出来ました。
いい刷毛・筆を使うことが大切です。
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参考
・9月12日㈯:資料保存ワークショップ番外編 「膠を背に塗る!」
・11月21日(土):資料保存ワークショップ番外編「道具考 膠用の筆」
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折丁どうしの隙間が埋まり、全体にしっかり膠が塗れたら今度は、
膠が固まり出すまで、マルト―、もしくは丸み出し玄翁の、アヒルの口ばしみたいに薄くなっている方で、まっすぐ、斜め、と多方向へと背を撫でつけます。すみやかに。
後は、膠が完全に乾くまで休憩です。
次回開催日は、
5月21日(土)
13:00~17:00
途中参加途中退場あり
※コロナ対策のため当面の間、新規参加受付はしておりません。ご容赦くださいませ。
お問い合わせは、こちらまで。
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