5月21日(土):資料保存ワークショップ番外編「新メンバー、エトーさんのご紹介と支持体の麻紐をほぐす」
今年の5月は雨が多いですね。
換気対策中のものことあとりえ一頁は、本日資料保存WS番外編の開催でしたが
途中から雨のにおいがふわりとアトリエに入ってきました。
また一つ、大きな立派な道具がアトリエに増えました。
「エトー」さんと仰るようです。
大きなプレスです。
丸み出しや耳出しに大変使いやすい大型のプレスです。
主宰者の堤さんが以前、お知り合いに譲り受けられたもの。
現在ものことあとりえ一頁で開催中の番外編では、私を含め2名が背固め、丸み出しの工程に入り始めました。
そこで、同時進行できるようにと、先日京大まで車で取りに行って来たのですが、
実はプレスのハンドルと板との接続部分である金属のつなぎ目?が折れているようで、
庄をかけるにはハンドルで動いてくれるのですが、引いて挟み込むスペースを広げるのはハンドルでは利かず、手で板を引くという、ちょっと扱いづらい仕様になっています。
ものことあとりえ一頁の前身は、金属プレス加工会社を営んでいた永田製作所。
町工場の社長だった現在絵描きのオーナー(わたくし、管理人小梅の父です。)の目測で何とかハンドルで動かせるようにいずれ直せる算段。
ひとまず、それまではハンドル&手動での扱いですが、
私を含め、みんなこんな大きなプレスは使ったことがないと、興味津々。
でも確かに上下抑える板の面一が揃っていない卓上のプレスよりは、使いやすそう!
・・・ハンドルが直ればもっと。
先頭を進まれる、久しぶりご参加のIさん。
綴じられ、丸み出しも終わった本文の天地を平らにするのに「エトー」さんを初めに使われました。
このサンドペーパーの着いた板。
「ラップ」と言うそうです。
なんと、手作りするのだとか。
「道具から作る」あたり、まさに職人の世界です。
適当な木の角材の平対面上下にサンドペーパーを膠で貼りつけるのだとか。
膠を使う理由は、サンドペーパーがへたったら、新しいサンドペーパーに張り替えることができるように。
膠の可逆性はすばらしいですね。
さて、私は前回背に膠を塗ってマルト―でこすって、固め乾かすところまででした。
今日は、背の角に余計な膠があれば、水硬く絞った雑巾で拭き取り、
支持体をほぐして、千枚通しで細い繊維状にとかす、
それから背から表紙の真ん中くらいまでの位置でほぐした支持体を切る。
だったのですが、私が支持体に使用していた麻紐の繊維が堤氏の想定を超えて繊維が細かく、ほぐすうちに、ふわふわの毛玉のように途中で切れてゆくということが起こり、
ある程度ほぐしてから、背から1.5センチくらいの長さで切ってから、千枚通しでさらにほぐす、というやり方に変更。
麻紐もさまざまである。
その後は、背から表紙の芯になるカルトン紙の厚みのところにボールペンで線を引く。
ボールペンを使うのは、この後も膠を使い、余計な膠を水で硬く絞った雑巾で拭き取ったりするので、印が消えないように。
Tさんは、色見返し作り。
工芸和紙を裏打ち。
うまく貼り合わさるといいね。
背の外れた大型の画集の修理依頼が飛び込んできました。
実践のよい機会です。
6月からは、ブラデル製本を行う通常の「番外編」に加えて
「修理の日」を別日で開催することになりました!
●「修理の日」は、
6月4日(土)
13:00~17:00
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●「番外編」開催日は、
6月18日(土)
13:00~17:00
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いずれも途中参加途中退場可
※コロナ対策のため当面の間、新規参加受付は原則しておりません。
お問い合わせは、こちらまで。
atelier.1page★gmail.com
(★マークを@に変えて使用ください。)
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