12月25日(土):資料保存ワークショップ番外編「かがり台で綴じる!」

年末押し迫ったクリスマス。
残念ながら都合がつかず今日は、3名での開催の ”聖本の会” となりました。

先を進まれる先輩は、綴じもすみ、固めた背をさらに整える作業へ。

私はといえば、一人わくわく。
何故かと言えば、
しかも、自作のかがり台を使っての綴じ作業にやっと入るのだ。

製本の工程で、綴じの作業は歌でいうとことの「サビ」ではないか?と
勝手に思っている。
一番の山場な気がしている。
それまでバラバラの丁だった紙が、この工程を経て、
やっと一つにまとまり。
「本」になるのだ。

このアトリエ、「一頁(イチページ)」の名前の由来と重なる。




さて、私の自作かがり台は、2019年に東京のヨンネさんでの単発講座でプレスと共に制作したもの。
当時はまだ、かがり台どころか、製本すら始められていなかった段階。
やがて、訪れるこの日に思いを馳せ参加したのだった。
ヨンネさんで作ったかがり台は、支持体となる麻紐をかがり台の下で木片で固定するのだけど、これが中々に難しく、5本の支持体の張り具合を均一にするので、
今日は終わってしまうのでは!?と焦りながらももたつく私に、
先生が、釘の方がやりやすいかしら?と途中、木片を釘に変えてなんとか固定。
支持体を本文に付けたグレッケ、綴じ穴の位置の間に当てる。

あれ?

支持体がグレッケとグレッケの中間にならない箇所があって、冷や汗。
綴じながら微調調整するも、苦戦。
私が改装に使ったのは、本文がアート紙の様な厚みと光沢のある紙で、
おまけに最後の丁にケースもカットして組み込んでいるので、喉のところに段差が出来てしまっているので、穴に糸を通すと糸が出てくるところが背の角の所でない部分から出る場所があって引き吊れてしまう。




初心者なのに、やっかいな本を選んでしまった。。。
が、これも経験。
一丁綴じるごと、各穴の両側を小さいハンマーで叩き、厚さを整える。
厚さの基準があるらしく、先生に見せてもらう。
帖が重なる度、厚みを図ってその表と合っているか確認するのだ。
製本は、面倒臭がりには難しい。


先輩Iさんが、

’’製本って、一つ一つの工程で、都度きちんと寸法や位置を合わせて進めて行かないと、
後で修正しきれない大きな失敗につながるのよねぇ。’’

って仰っていて、まさに体感中である。
何とか2丁目まで綴じ進めることが出来たので、このまま最後の丁までやってみる。
かがり台から外すのは、怖いので次回に見てもらうとして、
そこまで仕上げるのが宿題となった。

帰りに、Iさんからみなさんへクリスマスのお菓子を頂く。
かわいいクリスマス柄の布にチョコを包んでくださったギフト。
製本に限らず、手を動かして作ることを楽しむ人たちが集う場。

いつかこの布で、本が作れたらいいなぁ。



資料保存WS番外編、2021年はこれが最終。
昨年は得体のしれないコロナで休会ばかりだったけど、
今年は少しずつ開催が出来て、
会うたび製本や、修理、本の材料にまつわるニュースやエピソードが耐えなくて、
静かだけど、高め合えるそんな空気感がとても心地よい会でした。

2022年はさらにこの活動が発展できるといいなぁと思っている。




資料保存WS番外編、次回は
2022年初回
 
 ■ 2022年 1月 29日(土)
→ 蔓延防止措置適用のため、3月まで延期となりました。

※ 12月から開催時間が変わりました。
13:00~18:00の間、出入り自由です。

#資料保存 #製本 #ブラデル #かがり台 








コメント

このブログの人気の投稿

2023年5月21日(日)【日本酒とスイーツを楽しむ会】開催しました!

7月2日(土):資料保存ワークショップ番外編【修理の日】「実験!表紙クロスのクリーニング」

9月9日(土)・10月7日(土):資料保存ワークショップ番外編【修理の日】