7月18日(日):資料保存ワークショップ番外編「ブラデル製本:背に筋入れをする【グレッケ】」


梅雨が明けた京都です。
本当なら祇園祭真っ只中。山鉾は町によっては見られるようですね。
1ヵ月ぶりの資料保存WS番外編でした。
前回の6月20日(日)から、また通常のブラデル製本に戻りました。
この日は、ブログをさぼってしまいました。
というのも、作業の途中で終わってしまって、今日もう一度前回の工程からのスタートとなったからです。(言い訳?)

先頭を走るIさんは、綴じられた背の耳出し「バッキング」に入られました。
この時使用するバッキングハンマー、フランスのRELMAのもの。
日本ではこの形のハンマー、ほんと中々ないのです。
3月28日のブログ
「3月28日(日):資料保存ワークショップ番外編「ブラデル製本の丸み出し」」
でも書きました。

RELMAはどうやら製本道具専門店のようでした。
わー!HPにはたくさんの製本材料が。
その中に「Marteau à endosser」としてあります!
どうやって手に入れようか。。。

Iさんはとても手先が器用。慎重かつ丁寧な作業をされます。
耳出しの時、プレスから出す背の位置決めはその几帳面さが必要です。
見返しから耳のわずかな幅をプレスより上に出し、しっかりプレスで挟むのですが、
これは1人では非常に難しい作業。
3人はほしいです。
挟んだら、背の中央から両端へ背が折れるというか、曲がることをイメージし、マルトー(丸みだしハンマー)を叩いてゆきます。すると徐々にキノコの傘のように中央から左右へしなやかなカーブが出てきます。
簡単に言ってるけど、結構難しいはず。
そのキノコの傘のように出た部分を「耳」と言います。
この作業を「耳出し」「バッキング」という。
この耳の幅で、表紙の厚みの収まりが決まるイメージです。



膠で背固めしているので、ここではマルト―でたたく前は、小さな海綿に少し水を吸わせたもので、背をトントンして、予め折れやすいように背を湿らせます。
製本教室によっては、ここででんぷん糊を使うようですが、水分がとどまりやすいのか、
背が柔らかくなりすぎて、微調整が難しいのかも、との反応もあり。
手の慣れた人なら、わずかな叩き作業で折れてくれて早くできるのかもしれません。
海綿に水、だと、割とすぐ乾いてしまうので、乾いたらまたトントンして、またハンマーで叩く、すぐに折れないかもしれませんが、微調整が効きやすいようです。

さて、私の作業は、やっと背の筋入れです。
フランス語で「grecquer」(グレッケ)と呼ぶそう。
ここで入れた筋は、綴じる時の支持体となる麻紐をはめ、また綴じ糸を通す穴になります。
綴じ穴になる筋入れの位置取りは、専用のゲージを使って。
先生お手製のものを用意して下さったので、本文の背の長さの紙定規作り、ゲージに紙定規を当て、指定の位置を鉛筆で印付ける。

本文をカルトン紙でサンドイッチし、天地、背が直角になるように、
立体的に垂直が出せる定規「一発止型定規 」(すごい名前だな、)を使って整える。
ずれないようプレスに運び、挟みます。
地味だけど、結構神経使います。
運ぶ作業の時、大きめのクリップがあると便利。


印を書いた紙定規を当てて、本文の背の角どちらかにまた鉛筆で軽く印を付けます。
そのあと、直角定規かスコヤを当てて、背幅に印の位置から線を引きます。
そして、12本の印の部分をのこぎりでゴリゴリと溝を付けます。
鋸は背に対して直角になるように。
2ミリほどかな?の溝が出来たら、最後はのこぎりの歯を左右に傾け、それぞれ1回ずつ引いて、溝がVの字状になるように仕上げます。


のこぎりで削ららえた本文紙やカルトンが粉状に周囲に落ちます。
のこぎりで切る、それだけなのになかなか難しい。垂直に刃を立てるのがとても苦手な私です。

次回は、白見返しにも筋入れ(筋付け)して、色見返しを貼り、いよいよ綴じる作業に進めるかな?


次回の、資料保存WS番外編は、8月21日(土)です。
(緊急事態宣言により、9月25日(土)になりました。)






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