4月25日(日):資料保存ワークショップ番外編「羊皮紙を使ってみた!」その1 

再びの緊急事態宣言初日ではありましたが、
資料保存ワークショップ番外編、気を付けながら開催しました。
ブラデル製本での改装の途中ですが、この日はちょっと中断。

羊皮紙について研究されている羊皮紙工房 http://www.youhishi.com/profile.html の八木健治さんが「羊皮紙のすべて」という本を2月に刊行されたことにちなんで、
いつも指導して下さるこの番外編の主宰者・堤さんの方で、手持ちの羊皮紙があるから、と羊皮紙でブックカバーを作ってみようということになった。

中々手に取る機会のない羊皮紙の手ざわりや、毛穴やシミ?の入り方などをみんなで観察。
文庫本くらいまでの大きさの手持ちの本に合わせてブックカバーの製作を始めました。
厳密な計測はせず、ざっくりと。
ブックカバーのサイズの取り方は、図書館の事務室にはだいたい置いてあるこの本「図書館員のための図書補修マニュアル / 小原由美子著」のp120の図IX-2を参考に。



羊皮紙は、思ったよりすべすべとして、なめらか。
ピンと張りがあって、硬い。
よく見ると真ん中から対象的な位置に模様のような色味が濃くなった部分がある。
シミなのか?その部分は毛穴の流れが他の部分と少し異なるような。
ここは脚の付け根?曲がる部分の皮かしら?など、ちょっと生々ね、と言いながら
手をすすめます。
生き物の命を頂くということに目を背けてはいけないのです。




挟みを入れてゆくと、パリパリと硬い音がします。
事務用バサミでは刃が立たないかもしれないですね。
裁ちバサミが必要そうでした。




私は、和綴じの豆本のカバーを作ることに。
小さいから簡単かと思いきや、折りしろの幅が狭いのは、硬い羊皮紙をしっかり曲げるのにずいぶんと力が必要でした。(次の日は、手がわずかに筋肉痛。)
ステンレス製の定規と骨ベラで力を込めて折り目の角度を付けました。

以前、大学内のWSの本会の方で、1ミリ厚の中性紙で保存箱を作る際に厚さと硬さに折り目をつけるのにずいぶん苦労したのを思い出す。
その直後に行った九州大学附属図書館での資料保存研修で、
折り目に沿って紙に「割れ」(硬い、分厚い紙を折る際、紙の持つ抵抗力に反する力が加わることによって細かな皺が寄る現象をこう呼ぶのだそう。)が起きるのを防ぐために、硬く絞ったふきんを当ててから折ることを教わった。
やってみるとその割れが軽減、折りやすくなったことを思い出し、
羊皮紙でも使える?と、
ほんの少し水を含ませ、しっかり絞った海綿を折り目に、
とんとんとごく軽く当ててみた。




羊皮紙は、中性紙の時よりもはるかに早く、且つむらなく水分を吸ってわずかにしっとりと柔らかくなった!
水を含ませる前より圧倒的に折りやすくなった!
それだけに、含ませる水の量は思っているより少なく気を付けないと、羊皮紙があっという間にゆるゆるになりそうである。
紙ではなく、「皮膚」であることを実感した。
自分の皮膚にも思うものがあった。


※写真の和綴じ豆本については末にあり。


小口側と天地の折しろは、小口側の折しろに斜めに切り込みを入れ、
天地の折しろは、折った時に重なる部分をその切込みに入るよう三角形のような形にカットをして、その切り込みに入れ込んで形を保つ。





次回は、5月15日(土)。 
※延期になりました! 次回は、5月29日(土)予定です。(2021/05/17追記)
羊皮紙は時間が経つとたわんで沿りが出たりするそうだ。
それを防ぐために、今度は各々作ったブックカバーの平の面にリボンを通す作業を行います。
気に入ったリボンを探しての参加。
楽しみ。



ーーー

この日のその他諸々。

●展示物
レティシア書房さんにて展示のあった「世界の紙を巡る旅」展
で購入のタイの手漉き紙。
草花入れ込んだ紙 と 透かしのある細かなレース模様の紙、
それから、
著者の浪江唯さんのことは、こちらに詳しく載っていますね。



●向日市文化資料館で開催された「壽岳文章 人と仕事展」を観て書かれた
主宰者・堤さんのコラム
活版印刷研究所>WEBMAGAZINE
に関連するお話し。

●※写真の和綴じの豆本について、
美術家・故山口汎一氏による私家版「ぱなとりゑ」シリーズ
「十二支事始」
「ぱなとりゑ」に関する情報は以前私が書いた
活版印刷研究所>WEBMAGAZINE>「私家版「ぱなとりゑ」について」ご参照を。





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